デジタル概論 基本編 アナログとデジタル 0から楽しむパソコン講座

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アナログとデジタルの基本【0から楽しむパソコン講座】

 デジタル情報機器を使っていて、「デジタルとは何?」と思ったことはありませんか?またアナログについても「何がアナログなんだ?」ということで、デジタル・アナログの違いが分からない人は多いのでないのでしょうか。
アナログ・デジタルは目に見えないものだと思いがちですが、実は見えるんです。
ここではアナログとデジタルの基本を説明していきます。

アナログとデジタルの違い

アナログは何?デジタルは何

 まずはアナログとデジタルの違いを説明しましょう。

インターネット上での百科事典でおなじみの「ウィキペリア」では...

アナログは、連続した量(例えば時間)を他の連続した量(例えば角度)で表示すること。デジタルが連続量をとびとびな値(離散的な数値)として表現(標本化・量子化)することと対比される。時計や温度計などがその例である。エレクトロニクスの場合、情報を電圧・電流などの物理量で表すのがアナログ、数字で表すのがデジタルである。元の英語 analogy は、類似・相似を意味し、その元のギリシア語 αναλογ?α は「比例」を意味する。

  とあります。難しすぎて分かりません。 簡単に言いますと、アナログ=波形の集合体 デジタル=ON・OFFの集合体という事です。 例えば、「音」は波形の集合体です。いろんな波形があって、いろんな「音」が形成されます。これが「アナログ」です。 また「視覚」つまり目に入ってくるいろんな動きも「連続した動き」で表現されるため、「アナログ」になります。

時計【0から楽しむパソコン講座】
▲針の時計はアナログ
レコード【0から楽しむパソコン講座】
▲レコードもアナログ
時計【0から楽しむパソコン講座】
▲漫画等で使われるこの表現もアナログ
富士山の風景【0から楽しむパソコン講座
▲世界遺産になった富士山の風景もアナログ

 一方、「デジタル」はON・OFFの集合体です。つまり、「有り」と「無し」の集合体です。

 「デジタル技術」は最近の技術で難しいと思われますが、「デジタル」は実は昔から存在して、身近に使われていました。 例えば、身近な「デジタル」とは、「のろし」です。イベントとかある場合、「のろし」が「ボン!」と上がりますよね。この「ボン!」がなったら「イベントを行うという合図です。これも昔の「デジタル」です。 また、時代劇でよく見る「光の合図」。よく「討ち入り」などで「光」で合図して一斉に「えい!やー」と突入開始の合図で使われていますよね。これも昔の「デジタル」です。その他にも「モールス信号」など実は昔から使われていました。

のろし【0から楽しむパソコン講座
▲のろしもデジタル
モールス信号【0から楽しむパソコン講座】
▲モールス信号もデジタル
光での合図【0から楽しむパソコン講座】
▲光での合図もデジタル
地デジマーク【0から楽しむパソコン講座】
▲これは地デジマーク んっ!

よく「アナログ」は古く「デジタル」は最先端!とか言う人がいますが、「アナログ」も「デジタル」も昔からあり、人々はうまく使い分けていましたので、どちらが新しく、どちらかが古いとは決して言えません。 アナログとデジタルを「バカボン」の警察官に例えると...

ほんかん【0から楽しむパソコン講座】
▲鉄砲「バンバン」はデジタル
▲ 足の動きはアナログ
▲「逮捕だ~という声もアナログ

アナログとデジタルの長所・短所

アナログにもデジタルにも良い所がある

アナログとデジタルの長短の章イメージ【0から楽しむパソコン講座】

アナログの場合は直感的に捉えやすく,表現力も豊かにできる所が最大の特徴です。いわゆる「ファジー:曖昧さ」が表現できるということです。
時々耳にする「アナログ人間」という言葉がありますが、いい意味だと「表現豊かな人間」で、悪く言うと「曖昧だらけで分けの分からない人間」ということにもなります。

アナログで情報を伝達する場合、細かい表現ができる反面、劣化が起こりやすくなります。
例えば、晴れの日にTVの音声は小さくても良く聞こえますが、雨の日だと音量を大きくしないと聞こえません。これは波形の特性で干渉し合うためです。
また同じことですが、ラジオなど聞いてるときに違法電波などでノイズが入る場合もあります。これも波形の干渉によるものです。そのためアナログでの伝達の場合は距離がだんだん遠くなるほど、外からのさまざまな環境や要因によって情報が届きにくくなります。

晴れの日の音【0から楽しむパソコン講座】
▲晴れの日は遠くの音が良く聞こえる
雨の日の音【0から楽しむパソコン講座】
▲雨の日は音がかき消されて聞こえない

またアナログで媒体に保存した場合、(例えば書物などに記録を残した場合など)保存しり環境は変化するため、時間が立つと劣化した記録の修復がむずかしくなります。場合によっては何が書いてあるか分からず修復できない(理解できない)こともあります。 一方デジタルはアナログとは違い、ON・OFFの集合体ですから外部的な環境に左右されず、劣化しにくいのが特徴です。 そのため、長距離間で合図を送ったり、長期にわたって保存(記録)を行う場合に向いています。 その反面、デジタルの場合はONとOFFの集合体ですので、1つの文字を表現する場合でも、ONとOFFのいろんな繰り返しで表現しなければならずデータ量も多くなります。 例えば「われわれは宇宙人だ」という言葉があります。アナログ(文字を目で見た場合)はそのまま「われわれは宇宙人だ」で良いのですが、モールス信号(デジタル)で表す場合、「-・- --- -・- --- -・・・ ・・- ・・-・ -・・-- ・・- --・-・ ・・ ・-・-・ -・ ・・」と非常に長くなります。 そのため、長文を表現する場合、送る速さを早くしなければ日が暮れてしまうといったことになり、いかに早く送れるかがキーポイントになります。

SOSアナログ
▲SOSをデジタル(モールス)にすると
SOSデジタル
▲長くなる。

アナログからデジタルへ、そしてアナログ化へ

やはりアナログに戻るんですね。

一昔前まではいろんな機器はアナログが主流でしたが、時代とともに「質」や「正確さ」を追求するあまり、各 機器類も「デジタル」に進みました。しかし、先ほども申し上げた通りデジタルはONとOFFしかないため中間がありません。その中間がないおかげで、いろ んな不便さが出てきました。

例えばご飯を焚く場合、「ふっくら・つやつや」で炊けた場合を「アナログ」での中間とした場合、デジタルの場合は「炊ける」だけで焦げていようが、ご飯は硬い・やわらかい関係なし!となり、非常に不便な場面が出てきます。

そのため、ここ近年はデジタル技術でいかにアナログに近づけるか各メーカーが研究・開発しています。アナログ化にすることによって、我々人間が求めている感覚の「曖昧さ」に少しでも近づけようとしています。しかし、デジタルをアナログに近づければ近づけるほど、データ量も多くなってきています。ハード ウェアメーカーでは小型化で大容量の記録装置を日々研究・開発しております。

アナログでご飯【0から楽しむパソコン講座】
▲アナログでご飯をたくとおいしそう~
デジタルでご飯【0から楽しむパソコン講座】
▲デジタルだとこれでも炊けたことになる