1. インターネット詐欺・犯罪は主たる犯罪になってきています。
インターネット詐欺・犯罪は増加傾向です。 犯罪といってもいろいろ種類がありますが、その犯罪の中で、「詐欺」という犯罪は手口を変え増え続けています。
特に最近ではインターネット社会をたくみに利用した「インターネット詐欺」という手口が増えてきています。これはインターネット網が充実し、私たち身の回りの機器類がインターネットで結ばれるようになり、手軽にインターネットを利用することが出来たためです。しかし、便利になった反面、その「便利さ」をうまく利用し「詐欺」を行おうとする犯罪者が増えているのも現状です。
昔の詐欺はいわゆる「人をだます」ことでした。今のインターネット詐欺も「人をだます」ことですが、昔の「人をだます」は「だます相手」、いわゆるターゲットをきちんと決め「だまし」ていたわけです。しかし、今はその「ターゲット」が「不特定多数」となっています。「不特定多数」は当然筆者も含まれていますし、この記事を読んでいるみなさんもこの「不特定多数」に含まれています。当然、だまされる対象が多くなっているため、詐欺に合う件数は増えていきます。
また、インターネットを使用することにより、だます側も「楽にだますことが出来る」わけです。昔の「詐欺」を行う犯罪者は必死でした。相手をだますために、相手と何回も会い信用させ、時には失敗し、苦労しながら相手をだましていたと思います。筆者は犯罪者を慰めるわけではありませんが、犯罪するのも一つの「重労働」だったかもしれません。しかし、現在主流となっている「インターネット詐欺・犯罪」は苦労することなく「相手をだます手口」をもっています。「簡単に人をだませる」ことから安易に犯罪に手を染める犯罪者が増えています。
|
▲昔の詐欺と今の詐欺は大きく違います。 |
今私たちが出来ることは、出来る限り「インターネット詐欺・犯罪」の手口を覚え、「だまされないこと」が重要です。また、だまされても冷静に対処し、相手のペースに乗らないことです。
重要なのは「相手は犯罪者」ということです。だまされてもこちらは悪くありません。相手のたくみな言葉などで「私が悪い」と思っては絶対いけないということです。へたすれば、相手の巧みな言葉で「洗脳」されていまい、泥沼となって被害額が増えるケースもあります。どんな状況でも「相手は犯罪者」ということを第一に頭に入れておき、逆に「こらしめてやる・捕まえてやる」と思わなければなりません。後の章でも「だまされた場合の対処方法のポイント」も記載しますので、ぜひ参考にしてください。
2.インターネット詐欺・犯罪の手法
インターネット詐欺や犯罪はさまざまな手法でおこなわれており、危険です。 前章ではインターネット詐欺・犯罪が増加傾向にあることを説明しましたが、ではどのような方法でみなさんをだましているのでしょうか、その手法について説明していきます。
1. ワンクリック詐欺
ワンクリック詐欺とは、ある特定のリンクなどをクリックすると勝手に「登録ありがとうございました」などと強制的に会員登録させ、現金を振り込ませる手法です。
この手法は一時的な被害からは少しずつ減少傾向にありますが、それでもこの詐欺被害にあるケースが今でも多く注意が必要です。特にこの手法はパソコンよりもスマートホンを使用しての被害が増えています。
この手法は特にアダルトサイトなどの「動画視聴」などのボタンやリンク・配信メールのリンクなどを利用しています。
例えばアダルトサイトのワンクリック詐欺ワンクリック詐欺はこういう風にページを表示します
(このリンク先は架空のワンクリック詐欺サイトで、あくまでの一例ですので安心してクリックしてください。)
【ここをクリックしてみてください】
※上記のリンクはデモ画面です。間違っても信用しないでください。実際に体験してもらうため当サイトで少々リアルに作っているものです。
このようにクリックすると「ご登録ありがとうございました」と出て、「何日まで現金を振り込んでください・振り込まない場合は「追加料金」や「裁判うんぬん」などの説明があり、怖くなって現金を振り込んだり、相手に連絡したりしてしまう手口です。クリックして出たページを読んでわかる通り、不安をあおる事がかかれています。また、
「あなたのIPアドレス211.120.***.***」
などといった表示も出るため、まして不安になるようです。
|
▲この画面が出てすごく不安になります(詐欺の画面) |
ここでカギとなるのが「電子消費者契約法」という法律です。
インターネット上の対個人に対する商取引には「電子消費者契約法」という法律が設けられており、それを守らなければ「取引は成立しない」ということです。
その法律の内容は登録時の方法に関する事や販売時に関する規制、配送時の事など「消費者側」を守る法律となっていますが、その法律の中に
1.取引上はネット上であること
2.登録・入会時は登録をするという意思の前提のもとに行うこと
3.入会時には最終登録の前に必ず確認の意思を行うこと(本当に登録するというボタンがあること)
となっています。この項目がすべて満たされていれば自分の意志の基に入会したと判断でき、この項目に対する措置が1つでもない場合は無効になります。
これらのサイトの特徴として多いのが、文面で共通していますが、記載されている「電子消費者契約法(電子消費者契約民法特例法)により」と分けの分からない、本当は利用者を保護する法律の名前を出して詐欺にあわせようとしていることや、刑法328条や316条などといった(※刑法は264条までしかありません。)実在しない法律を出したりしている傾向にあります。
|
▲電子消費者契約法 |
また、上記の架空請求のデモをクリックすると分かりますが、表示される「あなたのIPアドレス211.120.***.***」や使用しているOS、接続されているホスト名などの情報はホームページ内のプログラムで表示しているだけで、その情報が相手に送信されているわけではありません。IPアドレスに関する情報はすべて接続しているプロバイダーが管理し、情報等は個人情報の法律により、警察等の捜査要請以外はプロバイダーでは公表しません。よって相手は、個人の住所・氏名は調べることができません。
しかし、それでも情報が特定されてしまう場合があります。その大半は「相手側と何かしらのコンタクトをとる」ことから特定されてしまいます。
電話での連絡だけではなく相手へのメールの問い合わせも要注意です。これがきっかけで個人情報がばれてしまう可能性もあります。
もし何らかの形で個人情報がばれて、請求がきたら無視してください。電話・メール等で悪徳業者から請求がきた場合は「電子消費者契約法」により無効を主張すればいいのです。
また、氏名や住所等は絶対相手に言わないでください。携帯等に電話が来た場合、この電話番号で「電子消費者契約法」により、警察や裁判所に届けを出すと相手側に言えばいいのです。
2. 未納請求詐欺
これは直接ホームページなどを使う詐欺ではなく、「ホームページを使用した」ということを利用した詐欺です。
各家庭にこんな一枚の葉書が届きます。内容は
「アダルトサイト?の利用料金が未納になっており、当社で回収依頼をされました。連絡をしなければ裁判所から通告があり、財産差押えや給料差し押さえになります。つきましては、動産物の差し押さえの執行猶予の書類をおくりますので電話にて連絡ください。なお、未納料金の金額・支払い方法等については、当方の委託により金額の相違があるため、至急ご確認ください
梶@全国債権管理機構
TEL 03-5697-9654
担当者直通 090-1372-98**
080-3276-24**
住所 東京都千代田区九段南3-6 」
といった具合です。
このハガキはもちろん詐欺を行うために送付した葉書ですが、未納に対する請求は「葉書」で行うことは絶対にありえないことです。現在は個人情報の保護法が厳しく、未納に対する請求については封書もしくは配達時に内容が見えないような葉書にしなければいけません。
|
▲未納請求詐欺の葉書の例 |
また、連絡先についてはきちんとした会社は携帯番号での連絡は使用しません。
実際に怪しいと思ったら名前や住所などをWeb上で住所を検索すれば実在するかどうか判別できます。きちんとした団体や会社はWeb上で情報がきちんと載っています。中には実在する所に似た名前を使うケースもあります。しかし、会社名や住所・職種などは一致しない限りは嘘ですので絶対に相手に連絡しないでください。
ただ、気を付けなければならないのは、葉書が送られてきた=住所が特定されているということです。
これは相手側が何らかの形で個人情報が分かられているということです。(大半は卒業名簿などを買ったりしているみたいですが。)そのため、その葉書が送られてきた後、何らかのアクションがあると思います。
大抵はそのままで終了ですが、中には「裁判」を起こすと語って葉書が送られてくる場合もあります。
|
▲内容証明は葉書で行いません |
「裁判」に関しては相手側からの書類送付はありません。きちんと「裁判所」から「裁判の趣旨」などの正式な書類がくることになっています。
|
▲裁判所からは「特別送達」で封筒で書類が送られてきます。 |
ただし、裁判所から内容証明郵便で「口答弁論期日呼出及び答弁書催告状」がきた場合、話しは別です。無視してはいけません。2週間以内に裁判所に行って異議申し立てを行ってください。相手は架空請求ですので異議申し立てをすれば、大抵訴えを取り下げます。しかし異議申し立てを行わないと裁判の負けが確定し、高金額を支払わなければならないことになります。
ここで一つポイントは、相手側は「裁判」や「警察」、「弁護士」などの文言を使用し、不安を煽る手口を使用することです。これらの言葉を使用することによりだまし易くなりますが、「裁判」や「警察」、「弁護士」などは、すべて正式な手続きを踏んで物事を運ぶため、相手側から「裁判」や「警察」、「弁護士」などの言葉がでた場合は要注意でだまされないように気をつけましょう。
3. メールでのクリック詐欺
よく「迷惑メール」などで見かける最後の文章に「配信停止の場合はここをクリック」と書かれていますが、身に覚えのないメールマガジンらしきものや、怪しい情報メールの場合はこの手口もワナですのでクリックしてはいけません。このリンクをクリックすると自分のメールアドレスが相手に伝わるため、以降送信されてくるメールに「請求」などのメールが送られてくる場合があります。
この方法は現在パソコンなどのメールでは少なくなりましたが、一方スマホなどのモバイル端末で多くなってきています。モバイル端末の場合、迷惑メール防止機能がありますが、この手の場合送られてくる本文上の発信元のメールアドレスと実際発信されたメールアドレスが違う場合もあります。
(送信元がpcメールのように装っているが、実際には携帯メールアドレスだったなど)
この手の詐欺の場合は一番の対策は「無視」することです。場合によっては各社モバイル端末では「迷惑メールとして報告する」機能がありますので、ひどい場合はこの機能を使用するのも一つの対策となります。
また、「アカウントの確認」や「登録情報の確認」などクリック詐欺に関するメールの種類は多数あります。身に覚えのないメールはむやみにクリックしないほうがいいでしょう。
|
▲身に覚えのないメールは要注意 |
3. もし、被害に合いそうになったら
知識があれば被害を最小限に抑えられます。
前章では実際に行われている手口を少し紹介しましたが、実際はこの他にもいろいろな手口で詐欺を行おうとしています。では実際に被害に合いそうになったら、どんな対策をとれば良いのでしょうか?
まずは相手のペースに乗らないことです。相手は短時間でだまそうとするので、いろいろな手口を変えてきます。しかし、相手は「素人集団」だということを忘れないでください。話を良く聞くと、一見最ものような言葉をたくみに使ってきますが、必ず話の内容に「穴」があります。この「穴」を逆に付けば相手は諦めます。
また、「弁護士」を装って連絡をよこす場合もあります。「弁護士」という言葉を聞いただけで相手に不安をあおらせようという手口ですが、相手が「弁護士」と名乗った場合、まずは「弁護士番号」、「所属する弁護士会」、「弁護士の修習期」を聞くことです。
「弁護士」はほとんど各地の弁護士会に所属し、「弁護士番号」を持っているため、きちんとした弁護士はすぐ答えられるようになっています。この弁護士番号はいろいろな書類などで使用するため、弁護士本人はこの「弁護士番号」を覚えているはずです。この「弁護士番号」が答えられないとすれば「なぜ弁護士番号が分からないのですか?」と逆にたずねるのもひとつの手かもしれません。もし、相手が「弁護士番号」を答えた場合、弁護士番号が一致するかどうか調べることも出来ます。一致しない場合はもちろん「うそ」ですが、仮に一致した場合、弁護士の連絡先がきちんと載っていますので、その場所や電話で確認してみてください。大抵は「うそ」だということが分かります。
|
;▲弁護士には所属会の登録番号があります。 |
次に、携帯電話などで連絡する場合、「録音機能のアプリ」をうまく使うことです。相手側に「話の行き違いの無いようにこの電話を録音している」とはっきり相手に伝えてください。相手は証拠を残したくないので、この時点で大抵はあきらめます。しかし、それでも話を進めようとしてきた場合には、最後に「一応この録音したのを警察に鑑定してもらいます」とはっきり言えばそれ以降は連絡がこなくなります。
|
▲通話録音アプリで詐欺を防止しましょう。 |
ポイントは、相手側は「足跡を残したくない」というところです。きちんとした請求などであれば相手は堂々とした対応を取ります。少しでも相手側が「足跡を残したくない」といった対応をとった場合は、ほぼ間違いなく相手は「詐欺師」だと思った方が良いでしょう。
また、全体の状況が把握できたら、わざとだまされたふりをして、相手側の銀行口座を聞く手も一つの方法です。相手をうまく誘導して振込み口座等を聞き、聞き出したら、すぐに銀行や警察等に話をして口座を止めてもらいましょう。
相手は「素人集団」です。昔の「詐欺のプロ」である「詐欺師」ではありません。きちんとした「情報」を持っていれば相手にだまされることはありません。
怪しいサイトを見つけた場合は、ぜひ捜査協力をしましょう。各人の情報がこのインターネット詐欺を撲滅することにつながります。下記のリンクを活用してください。
日本弁護士連合会
http://www.nichibenren.or.jp/bar_association/whole_country.html
弁護士番号検索
https://www.nichibenren.jp/member_general/lawyerandcorpsearchselect/corpInfoSearchInput/changeBarSearch/
インターネット詐欺対策集
http://www.ecnetwork.jp/sagi/index.html
警視庁架空請求詐欺・融資保証詐欺の情報提供
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/anket/mail1.htm
インターネットホットラインセンター
http://www.internethotline.jp/index.html
関東財務局 詐欺業者の口座情報提供
メール kin4@kt.lfb-mof.go.jp
警視庁 生活安全局生活環境課生活経済対策室
メール netfraud@npa.go.jp
(情報提供するとそれをもとに捜査します。)
4.オークション詐欺
オークション詐欺の被害は多発しています。
上記ではインターネット上でのクリックなどによる詐欺について説明していきましたが、「詐欺」について最近多くなってきており、少々厄介なのが「オークション詐欺」です。
オークションを使った詐欺の方法がいろんな方法があり、だまされてから気づくのが現状です。
オークションの場合、商品を落札するために、出品者の情報よりもどうしても「商品」に意識がいってしまいます。うまく落札し、その後振り込み手続きを取って、お金を振り込んだのがいいが、商品が届かないといった具合で、泣き寝入りしたといった話をよく聞きます。
オークションを行う場合、まずは「出品者」が信用出来るかというのを確認してください。大手のオークションでは「評価」が必ずあります。その評価を基に出品者が過去にどんな対応をとってくれたかというのを調べた方が良いでしょう。また、「出品者」は別の商品で「入札経験」も持っています。これらの評価で相手が信用できるかどうか判断出来るはずです。
オークション詐欺に会われる人は大抵常連者が多いと言われています。オークションに対する「慣れ」からついチェックすることを忘れて被害に遭われるケースが多く、後悔してしまうケースがあります。
|
▲オークションでの評価は必ずチェックしましょう。 |
オークションでの取引の場合、気を付けなければならないのが普通のネットショッピングとは違い、「クーリングオフ制度」が使えなことです。あくまでも個人間での取引であり、オークションサイトの運営側では監視や注意はしますが、あくまでも「自己責任」での取引となります。そのためトラブルがあった場合はオークションサイトの運営側は「双方で解決してください」という立場となります。
また、警察に相談しても、「被害届」を出して捜査開始まで時間がかかります。また、必ず出品者が特定できるとは限りません。
オークション詐欺を行っている場合、大抵は他人のIDを使用して行っているケースが多いようです。そのIDは現在元の使っていた人が使わなくなった、いわゆる「捨てID」などを利用して使っているケースがあります。そのため実際の犯人が特定できるまでにはかなりの時間がかかります。
また、犯人が見つかったとしても、その後の請求に関しては「民事裁判」で行わければなりません。警察側はあくまでも「逮捕」までで、被害に遭った金額が返ってくるわけではありません。別に裁判を起こさなければ相手は支払に応じないでしょう。
|
▲オークション詐欺には気を付けなければなりません。 |
オークションの詐欺方法の手口はいろいろとあり、ここでは紹介できませんが、ひとつ言えることは、オークションの出品者の情報が詳しいほど相手が信用でき、逆に出品者の情報は少ない場合は気を付けなければならないということを忘れないでください。また、オークションの取引での場合、少しでも疑問に思った場合は迷わず相手に質問してきちんとした回答をもらうのが一つの手だと思います。
オークションで儲ける詐欺情報
http://gyu.moo.jp/page011.html